Googleのパンダ・ペンギン・不自然なリンク ペナルティとリカバリー
順位ダウンのタイミング、ガイドライン違反のメッセージ、修正削除のターゲット
Googleの三大リスク
Googleの三大リスクとは、次の3つです。
1. パンダ
2. ペンギン
3. 不自然なリンク
リカバリーのチャート
順位がいちじるしくダウンした、ガイドライン違反のメッセージを受け取っている、あなたのサイトに事件が起こっているときは、リカバリーのために以下を判断材料や作業方針の参考にしてください。
1.パンダ
パンダ・アップデートと、品質の低いページのガイドライン違反を含みます。
- パンダ・アップデートのタイミングで順位ダウンが起こっている
- 品質の低いページのメッセージを受け取っている
その場合は、Googleからの情報を見て、ペナルティのターゲットを特定して、対策します。
2.ペンギン
次のケースでの順位ダウンは、ペンギンに含めて対策します。
- ペンギン・アップデートのタイミング
- ガイドライン違反のメッセージなし
- 再審査のリクエストでガイドライン違反をクリア
- そのほか、ほとんどすべての順位ダウンのペナルティ
ガイドライン違反の警告に対して、再審査のリクエストを送って、次のようなGoogleからの回答があったときは、ガイドライン違反のクリアとみなします。
- サイトの再審査は完了しました
- Google Webspam チームが手動で対応しましたが、この処理を取り消しました
- 手動での対応は行っておりませんでした
実際は、ほとんどの順位ダウンは、このペンギン的なものが多いです。
ペナルティのターゲットも広範囲です。
さらに残酷なことを言いますが、パンダや不自然なリンクのメッセージのタイミングで順位ダウンが起こっていても、その後さらなるダウン傾向になっているケースでは、ペンギン的なペナルティも発動している可能性が大きいでしょう。
要するに、ほとんどすべての順位ダウンは、このペンギンの類似・派生のペナルティと考えるべきでしょう。
というよりも、Googleではポピュラーな順位ダウンのペナルティがあって、ペンギンはその特化した一種とみなすべきです。
つまり、ペンギン・アップデートを特別視して対応すると、リカバリーは成功しないということにもなるのです。
3.不自然なリンク
- 自サイトへの人為的または不自然なリンク
- 他のサイトから貴サイトへの人為的または不自然なリンク
- 他のサイトへの人為的または不自然なリンク
「他のサイトへの」は、次の2パターンがあります。
- PageRank を転送するリンクやリンク プログラムへの参加
- 相互リンク プログラムの一環として追加されたリンク
ターゲットをうまく処理して、再審査のリクエストを送ります。
「自サイトへの」の場合は、リンク否認ツールなども使います。
パンダ的ペナルティとリカバリー
パンダ・アップデートならびに品質の低いページに対する順位ダウンを、「パンダ的ペナルティ」と仮に称しておきます。
まずGoogleから発信されている情報を整理します。
一般公開されているものは、こちらで言葉をかえてリストしています。
ガイドライン違反のメッセージは、見たこともない人もいるでしょうから、引用しています。
パンダ・アップデート
タイミング
- 2012年7月18日
- Google ウェブマスター向け公式ブログ: Google 検索が、高品質なサイトをよりよく評価するようになりました
- 2012年10月23日
- Google ウェブマスター向け公式ブログ: 独自コンテンツをより高く評価するために
ターゲット
- 低品質なサイト
- ユーザーにとって↓
- 価値のないサイト
- 利便性の低いサイト
- 他のサイトからのコピーで構成されているようなサイト
ウェブマスター ツール: http://ドメイン名/ の品質に関する問題
上記のようなタイトルで、次のような書き出し
貴サイトの一部ページで、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反した手法が使用されている可能性があることが判明しました。
そして本文
具体的には、実質上ユニークなコンテンツや付加価値のある情報が掲載されていない品質の低いページがサイトに含まれていることが判明しました。例として、実質のないアフィリエイトページ、誘導ページ、自動生成されたコンテンツ、コピーされたコンテンツなどが挙げられます。
ターゲット
上記の本文そのまま
- 実質のないアフィリエイトページ
- 誘導ページ
- 自動生成されたコンテンツ
- コピーされたコンテンツ
参照:オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しない – ウェブマスター ツール ヘルプ
パンダ的ペナルティのリカバリー
- 存在しないページの修正
- 404または410、デッドリンク削除、不正なリダイレクト解消
- 重複ページのURL正規化
- オリジナルコンテンツが不足しているページの対策
- キーワードを適正化
- 内部リンクを適正化
トップヘビー
これもパンダ的ペナルティと思われますが、ブラウザーのファーストビューで、広告が大々的に表示されている場合、ペナルティを受けることがあります。
また、アフィリエイトなどの広告にかぎらず、ページの上部に外部リンクがずらーっと並んでいる場合も、よろしくないようです。
もちろん、リカバリーは広告位置の変更です。
ペンギン的ペナルティとリカバリー
ペンギン・アップデートならびに品質の低いページに対する順位ダウンを、「ペンギン的ペナルティ」と称しておきます。
ペンギン・アップデート
タイミング
- 2012年4月25日
Google ウェブマスター向け公式ブログ: 良質なサイトをより高く評価するために
ターゲット
- ウェブスパム
- Googleの品質に関するガイドラインに違反しているサイト
- ホワイトハットSEOを逸脱したSEO
参照:ウェブマスター向けガイドライン – ウェブマスター ツール ヘルプ:品質に関するガイドライン
Google指定ランキング悪影響リンク
Googleは、公式にランキングに悪影響を与えるリンク(プログラム)について言及しています。
まあ、ラインキングに影響をおよぼすリンク、つまり順位を上げるリンクでもあるかもしれません(笑)
ターゲット
- 被リンク
- 有料リンク
- プログラムやサービスなどで自サイトへのリンク
- 発リンク
- スパムサイトへのリンク
- 無関係なサイトへのリンク
- 相互リンク
- リンク交換
- 相互リンクページの作成
これらは、わずかなものでもダメということではありません。あまりにも過剰であるときに疑ってみましょう。
問題となる外部リンク
ペンギン的ペナルティなど、順位ダウンが起こるときは、その多くは外部リンクによるものです。
Googleは、ある意味でリンク中心の検索エンジンですから、アルゴリズムもペナルティもリンクの比重が高いです。
ターゲット
- アンカーテキストがキーワード単語
- サイトワイド(サイトの全ページ)のリンク
セット化された外部リンク群が複数サイトで使い回し
コンテンツが複数サイトで使い回し
短期間に大量のリンク
要するに、外部リンクがかたちとして集中している、分散されていないのです。どう考えても「ナチュラル」ではありませんよね?
安易に自作自演したり、質のよくない業者に依頼したりすると、問題が起こります。
キーワード単語のアンカーテキストは、最大のリスクがあります。
(もちろん、順位アップにも相当の貢献をしますが、ボーダーラインを越えるとGoogleも見過ごしません…)
「サイトワイド(サイトの全ページ)」は、サイドバーやフッターに、テンプレートなどによってリンクを仕込んでいる、よく見かけるものです。
「セット化された外部リンク群」は、自作自演や他者依頼で、複数のリンク先が数個・数十個のセットとなって、複数サイトのリンク元で使い回しされていることです。
リンク先のセットは、順番が変えられていても、セットの一部が入れ替わっていても、ダメです。
リンクだけでなく、ページのコンテンツそのものさえ、複数サイト、複数ページで使い回ししている不逞の輩がいますが、まったくGoogleを愚弄しています。
なお「短期間に大量のリンク」は、IPアドレス分散や、ドメイン分散、アンカーテキスト分散していても、サイトワイドの集中でなくても、ペナルティが発動します。
ペンギン的ペナルティのリカバリー
- 有料リンクの解約
- リンク交換の停止(発リンクと被リンクの削除)
- スパムサイトへのリンクの削除
- 無関係なサイトへのリンクの削除
- 相互リンクページの削除
- プログラムやサービスなどの被リンクの削除
また、過剰SEOの反省として
- アンカーテキストの変更
- サイトワイドの解消
そして下記のように、過剰SEOを通り越したスパムやブラックハットSEOは、悔い改めましょう。
- セット化された外部リンク群は全削除
- コンテンツ使い回しはページごと削除
短期間に大量のリンクは、ケース・バイ・ケース(自サイトとリンク元の状況によって違います)のリカバリーとなります。
ペンギン的ペナルティのリカバリーは、まだまだ語り尽くせません。
それほど、広範囲で複雑で、面倒臭いです…
なお、「パンダ的ペナルティのリカバリー」もあわせて実行すると効果的です。
不自然なリンクのメッセージ
不自然なリンクのメッセージは、受けているリンク、出しているリンク、相互リンクと、複数パターンがあります。
該当のターゲットを修正して、再審査のリクエストを送ります。
ウェブマスターツールからガイドライン違反
ガイドライン違反のメッセージや、クリアされたとみなすべき回答も載せておきます。
受けている不自然リンク
- 自サイトへの人為的または不自然なリンク
- 他のサイトから貴サイトへの人為的または不自然なリンク
具体的には、PageRank を操作する意図で設定された可能性のある自サイトへの人為的または不自然なリンクがないかどうかをご確認ください。不自然なリンクの例としては、PageRank を転送するリンクやリンク プログラムへの参加が挙げられます。
または、
具体的には、PageRank を操作する意図で設定された可能性のある、他のサイトから貴サイトへの人為的または不自然なリンクがないかどうかをご確認ください。
再審査のリクエストを送ってからのGoogleの回答
サイトの再審査を行ったところ、今回もあなたのサイトへのリンクの中に Google の品質に関するガイドラインに違反しているものが見つかりました。
出している不自然リンク
- 他のサイトへの人為的または不自然なリンク
具体的には、PageRank を操作する意図で設定された可能性のある他のサイトへの人為的または不自然なリンクがサイト上にないかどうかをご確認ください。不自然なリンクの例としては、PageRank を転送するリンクやリンク プログラムへの参加が挙げられます。
相互リンク
- 他のサイトへの人為的または不自然なリンク
具体的には、PageRank を操作する意図で設定された可能性のある他のサイトへの人為的または不自然なリンクがサイト上にないかどうかをご確認ください。たとえば、相互リンク プログラムの一環として追加されたリンクは過度なリンクとみなされる場合があります。
再審査のリクエストによるガイドライン違反のクリア
以下のようなGoogleからの回答があった場合、ガイドライン違反をクリアしたとみなします。
ペナルティ解除
このサイトは以前、Google の品質に関するガイドラインに 違反しているとの判断に基づき、Google Webspam チームが手動で対応しましたが、お送りいただいた再審査リクエストを検討した結果、この処理を取り消しました。
手動ペナルティなし
釈然としませんが、下記の回答は一応クリアとしておきます。
サイトの再審査は完了しました。審査の際はサイトがウェブマスター向けガイドライ
ンに違反しているかどうかを確認します。問題がない場合はサイトのインデックス登
録を再検討します。引き続き Google の検索結果にサイトが表示されない場合は、ヘ
ルプ センターで手続きを確認してください。
もしくは、手動ペナルティはかけていない。というもの
サイトを確認いたしましたが、Google Webspam チームではサイトの掲載順位に影響するような手動での対応は行っておりませんでした。この掲載順位に関する問題は Webspam チームの対応との関連性はありませんので、サイトの再審査リクエストをお送りいただく必要はありません。
問題は、クリアしても順位ダウンは解消されないケースです。
というよりも、そのほうが圧倒的に多いです。
Google指定不自然なリンク
不自然なリンクの正体は、下記だけにかぎりませんが、再審査のリクエスト用に、参考になさってください。
ターゲット
- [PR]や[広告]などと書いていながらfollowリンクになっているもの
- プログラムや自動翻訳など、日本語として意味不明のコンテンツからのリンク
- 品質の低いディレクトリやブックマーク・サイトからのリンク
- アクセスカウンター、お役立ち情報ガジェット、ブログパーツなどからのリンク
- 複数サイトのフッターに散見するリンク
- コメントの投稿や署名の中に含まれるリンク
「日本語として意味不明のコンテンツ」は、外国人のたどたどしい日本語や、もろに中国語やロシア語、英語など外国語のコンテンツのページで、日本語のアンカーテキスト(キーワード)のリンクが張られているものなど、相当に危険です。
これらは、わずかなものでもダメということではありません。あまりにも過剰であるときに注意しましょう。
不自然なリンクのメッセージを受け取ったら、ウェブマスターツールのサイトへのリンクから、上記のような外部リンクを抽出して削除しましょう。
受けている不自然なリンク
上述の「リンク プログラム」の「ランキング悪影響リンク」から
- PageRank を転送するリンクの売買
- 自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンクを作成すること
出している不自然なリンク
上述の「リンク プログラム」の「ランキング悪影響リンク」から
- PageRank を操作する意図でウェブ スパマーのサイトや無関係なサイトにリンクすること
相互リンク
上述の「リンク プログラム」の「ランキング悪影響リンク」から
- 過剰なリンク交換
- 相互リンクのみを目的としてパートナー ページを作成すること
トップページの相互リンクも、気をつけてください。
相互リンクを促進するサービスも、要注意です。
というか、退会や契約解除するべきでしょう。
大々的に「相互リンクしましょう」とか、特定の相互リンクサービスを利用していることを明記していると、相当に危ないです。
不自然なリンクのリカバリー(再審査のリクエストのためのやるべきこと)
ガイドライン違反がクリアできるまで、何度でも、メッセージに該当する不自然なリンクを修正や削除して、再審査のリクエストを送り続けなければなりません。
受けている不自然リンク
リンク元の、Google指定不自然なリンクを真っ先に削除します。
他者管理のリンクは、削除依頼のメールを送ります。
- 管理者が分からない
- メールを送っても無視された
- 削除に応じない
- 削除のための料金を別途に請求された
このようなケースでは、ウェブマスターツールから「リンク否認」ツールを使って、削除して欲しいリンクをリストアップしたファイルを送ります。
リンク否認ツールの利用後数日経って、再審査のリクエストを送りますが、かならず、他者管理であることや、削除依頼で尽力したこともレポートしなければなりません。
出している不自然リンク
自サイトの、Google指定不自然なリンクを削除します。
そして、作業記録をレポートして、再審査のリクエストを送ります。
相互リンク
もちろん、相互リンク、相互リンク用のページを削除します。
そして、作業記録をレポートして、再審査のリクエストを送ります。
ガイドライン違反をクリアしても順位ダウンは解消されない…
なお経験則から、再審査のリクエストは万能ではありません。
また、リンク否認ツールも、見当違いの外部リンクを指定しては何の役にも立ちません。
もしガイドライン違反をクリアできても、手動ペナルティを解除されたと回答されても、順位ダウンがおさまらない場合は、パンダやペンギンや他のペナルティの影響を受けている可能性がありますので、
- パンダ的ペナルティのリカバリー
- ペンギン的ペナルティのリカバリー
あわせて実行するべきでしょう。
- 2012年11月25日 作成
- 2012年11月26日 微修正と追記